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神奈川県藤野市
少し振りに藤野へ遣ってきた コガタスズメバチの働き蜂が羽化しだす頃なので、早めに例の巣を採集しようと思ったのである ところが、巣があったはずの笹薮を見ても巣が見当たらない もしやと思い、造巣基と想われる笹枝をよく見ると、外被の痕が少し残っている 更にその下の方を捜すと外被の断片が幾つか見つかった 巣盤はまったく見当たらない 人間の仕業だろうか？ しかし、人間が遣ってきた様子は見当たらない そこで、おそらく禽か、動物の仕業だろうということになった 大きな失望感と共に一種の安堵感も胸中をよぎった なぜならスズメバチを扱うという危険な重荷が、当面消えてしまったからである
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