青梅日記

 

青梅日記

 

またぞろトウヨウホソアシナガバチの巣?

青梅市千ヶ瀬町


昨日、この前発見したオオムラサキ幼虫にゴマダラチョウ幼虫を対比させてみようと、軽い気持ちでゴマダラ幼虫を探しに行ったのだが、これが全然見付からなかった

春先に、あまり大きくない食樹の分岐点で新芽がほころぶのを待っている幼虫が結構見つかるので、見掛けたところの根元を探してみたのだ

しかし、どこも乾燥しきっていて幼虫の気配すらない

やはり川の傍の湿った場所でないと見付かり難いのではないかと想って、今日は多摩川の河畔まで行って探してみた

大きな榎の根元を今日は必死になって探してみたが、ここも殆ど乾燥していて居そうにない

少し湿ったところもあったが、日が当たり易く温度差が激しいのかやはり見付からない

オオムラは簡単に見付かって、他の季節にはよく目にするゴマダラにこんなに苦戦してしまうとは我ながら情けない

そうこうしている内に持っていたピンセットを無くしてしまって1時間くらい捜しまくった

記憶を辿りながらその辺を何十回も行ったり来たりした

記憶は極めておぼろげで断続的で思い出せない箇所が多すぎる

こんなにこだわるのは、自分がアスペルガーで記憶喪失者だからだろう

今まであったものが無くなるという事が絶対に許せないのだ

新しい世界についていけない

自分に未来がないということがひしひしと伝わってきた

そんな折、フェンスから突き出た茗荷の葉裏にホソアシナガバチの巣を見つけた よく見るとトウヨウらしい

こんな所に...という感じである

自分が今まで持っていたトウヨウホソアシ神話は崩れ去るのかもしれない

 

“井上哲人”なる詐欺(ペテン)師

青梅市千ヶ瀬町


私がピンセットを捜してその辺をウロウロ行ったり来たり

落ち葉をガサゴソしたりしていると、

その中間にあるベンチにマウンテンバイクで来た老人が座って、

長々と買ってきた物を飲み食いし始めた

『邪魔だなー』と想いつつカメラをとりに側を通りかかると、

「何か居ますか?」と、如何見ても胡乱な私に声を掛けてきた

「いや、ちょっと捜し物をしているのです」と応ずると

「そりゃー大変ですなー 高いんでしょうなくしたものは」と言ってきた

カメラを取って戻る序でに、「今日は自転車で散策ですか?」

と何気なく言うと、「貴方カメラマンでしょう」と興味ありげにいうので、

「いやまー」と一応適当に応えた

すると、「オーすごい、実は僕は脚本家の井上というんだけどね・・・・」

と長長と自己紹介をし始めた

なんでも自分は脚本家の他に某組織の会長をやっており、

更にどこぞの大学の名誉教授でもあり、

そして社会のあらゆる分野の実力者に多大な影響力を持っている

とのことだった

そして絵も書き現代短歌を嗜み釣りさえするといって、

自分が描いたという瓢箪と舟と川原と釣竿を配した

(今思うと)何とも胡散臭い絵を見せ始めた

題名は「積善の余慶」だそうだ

これをYahooのネットオークションなんかで競売にかけると、

6万ドルはするということだった

それで、「あんたは薄幸でどうも運を取り逃がしてるようだから

これを差し上げよう 但し人には内緒だよ 

コピーが出回る心配があるから」と意味不明のことを言った

真に受けた私は「本当ですか!願ってもないことです」と色めきたった

「僕は君が気に入ったから上げるんだよ これも何かの縁だよ!

君がピンセットをなくさなかったらこの縁はなかったんだよ! わははは・・」

と空々しく何度も笑った

「これはまさしくピンセットの縁ですね」と私も微笑んだ

「僕は君みたいな若い人が成功することを望んでいる 君を助けたいんだよ

だから十(とお)でいいよ わははは・・」

「..はぁ?」私の表情は一瞬にして曇った

「今日は銀行が開いてるだろ! だから早く行って来な 10万でいいよ! 

わははは・・」

私は相手の意図が読め、『なんてこった』と思ったが口には出さず

「では行って来ます」と力なく応えた

「何分で戻ってくる?」と訊くので「20分で!」というなり、

走っていって、そのまま自転車でとんずらした

自称井上さんは「ではそれまでこの辺を散策して置こう」といっていた

 

青梅市千ヶ瀬町


とんだ時間の無駄使いが続いた一日だった

とりあえずこの顔にはご注意あれ!

(住所や電番も教えてしまった...後でかかってきた)