青梅日記

 青梅日記

 

気さくな小父(おじ)さま

青梅市大門


新たに見つけたトウヨウの巣を垣根の少し内側から、

300_の望遠で恐る恐る撮っていると、

「何をとりなさる?」と家長のご老体が出てきて話し掛けてきた

訳を話すと、「前から不思議に思うておったんじゃが、

この蜂の名は何というのかの?」と思いがけなく好意的な様子だった

近頃には珍しく気さくな方で、このおじ様の言うことには、

「7月始めに小さい巣を見つけての、アッという間に大きくなってしもうた

二つに分かれた変な巣での、始末することも考えたが、

かわっとるんで其の侭にしておいた」ということだった

「今年初めてですか?」と聞くと、「今年初めて創られた

74年生きてきたが、こんな巣は初めてじゃ」と物珍しげに応えた

最後に私のほうから、「触りでもしない限りまず襲ってくることはないし、

もうこれ以上は大きくならないので、是非其の侭にして置いてください」

とお願いしておいた

 

トウヨウの巣

青梅市大門


この前のより大きめの巣だ

 

巣の裏

青梅市大門


おじ様に脚立を貸してもらって取り続けていたら、俄かに蜂に襲われた

何度もフラッシュを浴びせ掛けたせいかもしれない

特に巣の裏から広角で撮っていると、いきなり十数ひきに襲われ、驚いて脚立ごと転んでしまった

カメラは守ったが、5メートルはなれた自転車のところまで追いかけてきて手袋の上から刺す始末だった

彼らがこれほど凶暴になるとは想ってもみなかった

結局この日は2箇所刺された

 

その後も何度か撮らせて頂いたが、やはり簡単な防護服を纏わねばならず、目とファインダーのあいだにまで入り込んで襲って来ることさえあった

 

この前の巣

青梅市大門


序でに50メートルほど離れたこの前の巣も写した

こちらは分かれていない

 

思いがけない痛手!

青梅市東青梅


帰ってからジョイントマットの上で暫く休んだあと、

マットの上が血だらけになっているのに気付いた

傷でも在るのかと不思議に想って探すと、そういえば太ももの裏側が痛い!

帰りがけに気付いていたが、蜂に刺されたのだろうと想っていたのだ

恐る恐る見ると、なんと!肉が可也深く抉り取られて、血が滲んでいるではないか

脱いだズボンには、傷口部分が切り裂かれていて、血が付いていた

 

血を拭き取ったところ

青梅市東青梅


どうやら、脚立もろとも転んだとき、脚立の角で肉が抉り取られたようなのだ

傷は深く真皮の内側にまで達している

直すのが大変だ 見苦しい痕も残ってしまう

辛いところを我慢して、苦労しながら撮影

これも現実だ