青梅日記

 

青梅日記

 

トウキョウサンショウウオの卵嚢

青梅市長淵


この辺には『東京山椒魚』の産卵場所があると聞いていたので出かけてみた

たしかに卵のうがいくつか見付かった

併し、もう発生が進んでしまって、幼生になっている

恐らく2月下旬から3月上旬くらいに産卵したのだろう

寒い中、ご苦労なことである

 

トウキョウサンショウウオの成体

青梅市長淵


長年の勘から、「まだ親は近くの水中に居るのではないか?」と思い、

周りをよく観察してみた

然し、なかなか姿が見付からず半信半疑になってしまった

落ち葉が堆く積もっており、落枝などで捲り上げると、

忽ちヘドロが濛々と立ち上り、何も見えなくなってしまう

ところが、ずっと静かに待っていると、

時々呼吸のために水面まで頭を擡げに来る親を発見

案の定であった

下関で見たカスミサンショウウオと一緒である

どうやらこの仲間(Hynobius?) は産卵を終えても

しばらく親は卵塊の近くの水中に潜んでいるようだ

卵嚢を見守っているのか、気温が上がるまで生温い水中に浸っていたいのか

真相はわからないが....とにかく山椒魚を見たのは

下関時代以来6〜7年ぶりのことであった

そういえば小学校の頃学校の裏の溝に卵嚢を見たのを思い出した

 

山椒魚は水面に口先を突き当てた後、

一回口を開けないと呼吸出来ないようだ

あぶくを一つ残して又潜る(入れ子写真参照)

 

ヘビトンボ幼虫

青梅市長淵


小一時間山椒魚と戯れていたら、渓流の落ち葉の間から、

ヘビトンボの(多分終令)幼虫が顕れた

なんと、少なく見積もっても14年ぶりの発見(再会)であった

しばし感動の涙に泣き濡れた 久しぶりである

(でもなんかやっぱ下半身がキモイ)

 

アオグロハシリグモ幼体

青梅市長淵


流中の石を捲ると、黄色っぽいハシリグモが顕れて、急いで水中に潜って隠れた

然し、私のカメラは見逃さなかった

 

同定は、クモ研究家の新井浩司氏に拠った(下同様)

 

 

青梅市長淵


陸に近い石を捲るといた小さな幼体

 

新井さんいわく「ハシリグモの仲間は、色彩や斑紋の個体差が大きい上に、

多くの場合、見た目の良く似た近縁種が存在し、正確な同定が難しい」

ということだった

 

オウメソウ(青梅草)

青梅市長淵


フクジュソウの一変種であるらしい

なんでも、花が大きく色がやや淡いとか・・・

 

今日は曇り日なので花の開きが悪い

 

コオロギモドキ

青梅市長淵


渓流の水際をふと見ると、ジョウカイボンのよく太った終令幼虫が仰向けで浮いていた

きっと、石から落ちてしまったのだろう

ピンセットを近づけるとその先に丸まってきた

「冬にも活動するとは聞いていたが・・・」と思いつつピンセットを石の上に軽くおいて

クローズアップレンズを取り出して見ると、

ピンセットの先のジョウカイボンの姿は影も形も消えうせていた

「憎らしかー、せっかく写そうと思うとったとに!」

あたりを満遍なく探したもののまったく見付からない

このままでは歯切れが悪く帰る気がしないので、

何かそれに代わるめぼしい物は居ないかと片っ端から石をひっくり返した

すると間も無くその下を走る白い小さな虫を発見した

その生き物は恐ろしく速く、最初白いイシムカデのように見えた

然し、よく見るとどうやらこれは、生きている化石といわれる

翅や単眼の無いあの虫ではないかと思われた

写真を一枚写すと、少しして石が嵌っていた窪みの底の

土くれの中へ入っていってしまった

「バカめ! そっちは行き止まりだ」心の中でニヤリとしながら

底の土をほじり出してみると、居ないのである

どうやら此処はガレ場なので土の中に小さな石がたくさん詰まっていて、

隙間が無数に在るらしい その隙間に逃げ込んだようなのだ

少し無翅のカワゲラかとも思ったが(セッケイカワゲラとか)

矢張りガロアムシに違いない

こういう行動はなんとなく蟋蟀に似ている

とはいってもここまでの芸当は本家の蟋蟀にはちょっと無理に違いない

あのスレンダーな体と素早い動きで可能になったのだろう

だからこそ原始的でも生き残れたのだ

辺りははもう暗くなりかけていたが、何とか似たような条件のところから

他の2匹の個体をゲットすることが出来た

とはいっても余りに素早く柔らかいので一匹は半殺しで、

もう一匹は触角の先が片方切れてしまった

家に帰って調べてみるとやはりガロアムシだった

家から自転車で1時間一寸(ちょっと)の所に

こんな虫が住んでいたのは意外だった

青梅もなかなか捨てたものではない